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長期借入金と短期借入金とは?

長期借入金とは?

長期借入金は1年を超える期間で返済する借入金のことです。

返済期間が長いので、毎月の返済額が少なくてすみ、返済負担を抑えることができるというメリットがあります。

長期借入金は、多くの場合、工場を新設したり、土地を購入したりする際に利用されます。

返済期間は年収から毎月返済が可能な額を算出して決めることができます。

もちろん最長返済期間の年数や、完済時年齢は商品ごとに決められているので、その範囲内で設定します。

設定された毎月の返済額の返済が可能であると判断された場合に、融資を受けられます。

長期借入金は返済期間が長いので無理なく返済できるというメリットはありますが、利息負担はそれだけ増えるのがデメリットです。

金利も短期借入金よりも高めに設定されています。また、毎月の支払いを気にすることがなく、余裕資金がいつもあるので、実際の資金繰りの状態がつかみにくくなるというデメリットがあります。

返済が進んでから、新たに借り入れを行うといっそう把握しにくくなります。

また、現状では返済可能であっても、完済するまでに業況がどうなるかわからないという不確実さがあります。

それで、運転資金は長期借入はしないほうが無難です。

状況によっては運転資金を長期で借りたほうがいいと判断するケースもありますが、長期で借り入れができるのは一定の財務状況以上の企業です。

また、長期借入金では担保の設定も求められます。

また、証書貸し付けという形で行われるため手続きにも手間がかかります。連帯保証人も必要になります。

銀行にとっては、長期で貸し付ければそれだけメリットがあるので、業績の良い企業に対しては、長期での融資を行ってくれます。

一方、業績があまりよくない会社が長期での融資を受けるのは難しくなります。審査は短期借り入れよりも厳しくなります。

審査に通って長期借入をするためには決算書が非常に重要になります。

ポイントの一つは自己資産比率を高めることです。自己資産比率は自己資本を総資産で割って100をかけた数字です。

自己資産比率の平均は30%なのでそれ以下になっている場合には、売掛金を回収したり、在庫を減らして総資産を減らすことができます。

また、経営者が出資するなどして自己資本を増やすこともできます。

その他には、備品が破損した場合には特別損失として計上したり、圧縮記帳と特別償却を活用することによっても審査に通りやすい決算書を作成することができます。

短期借入金とは?

短期借入金は返済期間が1年以下の借入金です。返済原資は売掛債権の回収金です。短期借入金は運転資金に用いられます。運転資金の中には決算資金や賞与資金などが含まれます。短期借入金はつなぎ融資としても活用されます。

たとえば、仕入れの代金を1ヵ月後に支払う必要があるのに、売り上げの代金は2ヵ月後に支払われるということがあります。余裕資金があれば問題ありませんが、場合によっては資金がショートしてしまうことがあります。

そのような時に、短期借り入れをして運転資金を確保します。短期借り入れは一般的に手型貸付の形で行われます。これは約束手形を発行してそれを担保に融資を受ける方法です。

短期借入金のメリットは長期借入金の場合に比べると金利が低いという点です。ですから利息負担が少なくてすみます。

また、期日一括返済なので、一括返済した後に新たに短期借り入れをするという形で借り換えができます。さらに、返済原資が売掛金回収金であるために、赤字であっても融資を受けられる場合があり、長期借入よりも審査は通りやすくなっています。

また、不足分だけを借りるので、返済の見通しもつきやすいですし、借り過ぎを防ぐこともできます。

短期借入金のデメリットは、銀行が借り換えに応じてくれない場合、一括返済した後に資金繰りが悪化するという点です。

また、1回に多額のお金を返済しなければならないというデメリットもあります。さらに短期間に借りては返すを繰り返すという煩わしさがあることも否めません。

短期借り入れ金は銀行側にとっても手続きが簡単で、勧めやすい商品です。

また、上手に活用すれば、資金繰りに非常に役立ちます。

ただ、長期借入よりも短期借り入れが多くなるのは、あまり望ましくありません。

増えてしまった短期借入金を少なくするためには、長期借入をして短期借り入れを終わらせる、キャッシュアウトを減らす、少人数私募債を活用するなどの方法で対応します。

キャッシュアウトを減らすには、家賃や通品費、光熱費、などの固定費を減らし、在庫などの変動費も見直します。在庫管理をきちんとして過剰な在庫を抱えないようにしましょう。

人件費を削減したり、流通経路の無駄をなくすこともできます。

少人数私募債は取引先や親族などを対象に50人未満範囲で発行するもので、公募債に比べて手続きが簡単で、金融商取引法や会社法の制限も受けないので、活用しやすい資金調達の方法です。



商工ローンとは?

商工ローンとは、貸金業者が中小企業や個人事業主を対象にして行う事業性資金の融資のことです。

商工ローンのメリットは担保が不要で、審査も銀行ほど厳しくなく、審査スピードも速いので即日借入も可能だという点です。

また、第三者の保証人も必要ありません。最近ではカード型のローンもあるので、365日、24時間いつでもATMで借り入れができます。

また、貸金業者が販売するローンは総量規制の対象になっているので、年収の3分の1までしか借り入れができないのですが、総量規制にはいくつかの例外があって、事業性融資も例外とされています。

それで、商工ローンでは年収の3分の1を超える額でも借り入れができます。

商工ローンの一つに「ビジネスパートナー」があります。担保は不要で保証人も不要ですが、法人の場合は代表者が連帯保証人になる必要があります。

最短で、申し込みの当日に審査結果が出るので、翌日に融資を受けることも可能です。

申し込めるのは満20歳〜満69歳までの方で、法人又は個人事業主です。

融資限度額は50万円〜500万円で、カードローン型なので限度額の範囲内で繰り返し借り入れができます。全国のセブン銀行のATMで24時間いつでも利用できます。金利は実質年率9.98%〜18.0%です。

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もう一つの商工ローンはビジネクストです。無担保で、保証人も不要です。

法人は代表者の連帯保証が必要です。満20歳〜満69歳までの方が申し込め、個人事業主、法人が対象です。

融資額は1万円〜1,000万円で、新規の場合は500万円です。金利は利用限度額が100万円以上なら実質年率8.0〜15.0%、100万円未満なら13.0〜18.0%です。

商工ローンは従業員の給料日までに間に合うように融資を受けたい、未納の税金の支払いがしたいなどという場合に利用されることが多いようです。

ただ、商工ローンから借りると銀行からの融資が打ち切られることもあります。

また、すでに商工ローンからの借り入れがある場合は、新たに銀行から融資を受けるのも難しくなります。

それから、商工ローンの金利は銀行に比べると高くなっています。ですから、計画的に借りないと、かえって資金繰りを悪化させることになります。

ですから、まずは日本政策金融公庫や銀行からの借り入れを考えたほうがいいです。

また、制度融資や助成金、補助金を活用することもできます。商工ローンは最後の手段という位置づけがベストです。

どうしても商工ローンの利用が必要と感じる場合でもまず、専門家に相談してアドバイスを受けるのがいいでしょう。



年金担保貸付とは?

年金担保貸付は年金担保融資制度による貸付です。国民年金、労災保険の年金、厚生年金保険を担保として融資を受けることができます。使途は住宅のリフォームや、冠婚葬祭、保健・医療、介護・福祉、生活必需物品の購入などで、一時的に必要になった資金のための小口融資になります。

ただし年金担保融資事業は、平成22年12月の閣議ですでに廃止が決まってしまいました。円滑な廃止に向けて、平成26年12月から年金担保融資の取扱いが変更されていますので、申し込みの前に確認してください。

変更後の限度額は年間の年金支給額の0.8倍以内です。年金から源泉徴収されている所得税額に相当する金額は除外されます。また1回あたりの返済額の15倍以内で、本人が必要とする額まで、10万〜200万円という条件もあります。融資は1万円単位で受けられます。ただし、生活必需物品の購入の場合のみ、10万円〜80万円です。年金担保融資の1回あたりの返済額の上限は年金支給額1回の1/3以下で最低返済額は1万円です。元金相当額を2年6カ月以内で返済します。

申し込みの際には請求書、見積書等、資金使途と金額がわかる書類が必要です。ただし、融資額が10万円なら提出する必要はありません。借入申込書には必要額を申告しますが、必要額の合計額が借入申込額より少ない場合には、融資してもらえるのは必要額の合計額になります。

借入を希望する場合は、年金を受け取る銀行や独立行政法人福祉医療機構代理店の表示がある信用金庫等の店舗で申し込んでください。店舗に借入申込書が準備されています。ゆうちょ銀行や農協などで年金を受け取る場合は、最寄りの銀行か取扱いのある信用金庫等の窓口で、年金受取口座の変更手続きをしてから申し込みしてください。

申込み締切日から融資実行までにはおおよそ4週間程かかります。返済の開始は、融資を受けた月の翌々月以降の偶数月からとなっています。また、借入金の残高がある段階では、追加の融資を受けることはできません。

なお、年金を担保に融資を受けられるのは年金担保融資制度のみです。貸金業者が年金を担保に融資することは禁じられているので、お年寄りを狙った貸金業者の年金担保融資には十分に注意しましょう。年金振込口座の通帳や印鑑まで取られてしまう被害も出ているため、年金を受け取っているご家族がいる場合には、トラブルに巻き込まれないように注意してください。



預託金と保証金の違いとは?

保証金は、将来発生するかもしれない結果について責任を持つことを保証するための証拠として支払うお金のことです。

また、債務の担保として債権者に渡すお金も保証金です。

賃貸契約での保証金は、保証金又は地域によっては敷金と呼ばれます。

FX取引での保証金は証拠金、ゴルフ場やリゾートクラブの会員になる際に預ける保証金は預託金と呼ばれます。

ですから、預託金は保証金の一種ということになります。

賃貸契約での保証金は、借り手の家賃滞納や、損害賠償の必要が生じた時の担保としてあらかじめ支払われます。

退去時には保証金は返還されますが、分割で支払われる場合もあります。

FX取引の場合は、FX会社に一定額の証拠金(保証金)を預け入れれば、外貨の売買ができます。

FX取引は差金決済取引なので、預け入れた証拠金よりも多い額面の取引が可能です。たとえば、10万円の証拠金で最大250万円の額面の取引が可能になります。

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ゴルフ場などに預ける保証金は預託金と呼ばれ、受け取った側は、資金運用や開発資金などに使用します。

入会金は利用権を取得するために支払う金銭なので返還されませんが、預託金は5〜10年の据置期間が終了すると、クラブを退会した後に返還されます。

ただ、預託金を受け取った側の経営が悪化した場合に預託金が返還されなかったり、返還を延長されるなどのトラブルも生じています。ですから、会員になる前にクラブの信用力や経営状況を十分調査する必要があります。

また、一部のゴルフ場では入会時に「入会預託金」を徴収しています。

入会預託金と預託金の違いは、入会預託金は名義書換で入会した場合でも、改めてゴルフ場へ預ける必要があるという点です。

会員権売買の際は退会者に返還され、入会する買主が新たに預けます。

それに対して通常の預託金は、名義書換で入会した人が改めてゴルフ場へ預ける必要はありません。また、預託金を売買する際は、預託金請求権は買主に移行します。
     
ゴルフ場などの会員になる以外に生じる預託金としては、新車や中古車の購入の際に支払うリサイクル預託金があります。車両解体のための預かり金です。

これにはシュレッダーダスト料金、エアバック類料金、フロン類料金、情報管理料、資金管理料が含まれます。

ちなみに情報管理料は損金計上して、それ以外は自動車をリサイクル時点まで資産計上とします。

また、SuicaやPASMO等を購入した時の預け金も預託金です。



借り換え、借入一本化とは?

「借り換え」という言葉は2つの意味で使用されます。一つは短期借入金の期日が来た時に借入金を返済して、また同じ銀行から新たに短期借入をすることです。短期融資の場合は返済原資が売掛金回収金であるため、赤字でも短期融資を受けられることがあります。

それで短期融資を受けて、短期借り入れの借り換えを続けていくことができれば資金繰りが安定します。

ただ、デメリットは金融機関が毎回借り換えに応じてくれるとは限らないという点です。借り換えに応じず、一括返済を求められる場合もあります。

もう一つの「借り換え」は、たとえばA銀行から3本の借り入れをしている場合に、B銀行から融資を受けて、A銀行から借りている複数の借入金を返済することです。複数の借り入れが1本になるので、借り入れ一本化とも呼ばれます。

他行からの勧誘があって一本化する場合は、金利が優遇されるというメリットがあります。そのため、毎月の返済負担を軽減することができます。デメリットは今まで取引していた銀行との関係が悪化するということです。

今後、その銀行からは融資を受けるのは難しくなるので、借入先の選択肢が少なくなるというのがマイナス面です。さらに、一本化したものの、借り換えた先の銀行がこれからも積極的に融資を行ってくれるとは限りません。

また、1つの銀行で借りていた複数の短期借入金を同じ銀行で長期借入にまとめることも借入一本化と呼ばれます。複数の短期借入金を長期借り入れで一本化すれば、貸し渋り対策にもなりますし、一時的に多額の返済をする必要もなくなります。

毎月の返済額も一定になるので返済計画も立てやすくなります。さらに返済管理もシンプルになるので、より経営に集中できるようになるというメリットもあります。

ただ、返済期間が延びるのでそれだけ利息の支払いが膨らむというデメリットがあります。また、短期借入を長期借入に一本化するには、業績が良く相応の担保があることが必要です。業績がそれほど良くない場合は、事業計画書を作成し、資金繰りさえ安定すれば会社が存続できるという点をアピールして金融機関に納得してもらう必要があります。

一本化のためにはこの事業計画書の内容が重要なポイントになります。自社の強みの活用方法、弱い部分をどう補うのか、事業を行う点で有利な点は何かなどが明快に伝わる説得力のある計画書が必要です。どのように書いたらいいのか迷う場合には、税理士と相談の上作成するのが良いでしょう。



npoバンクとは?

NPOバンクは、地域福祉、環境保全を目的に活動するNPOや個人に融資するための組織で、市民が自発的に出資してサポートしています。「市民金融」や「金融NPO」とも呼ばれます。最初に設立されたのは1994年で、東京都の「未来バンク事業組合」です。現在では全国各地にNPOバンクがあります。

NPOバンクでは、組合員になっている市民やNPOが1口数万円単位の出資を行い、それを元に資金を必要としているNPOや個人に融資しします。金利は1〜5%程度と非常に低いので、借入れる側は返済負担をかなり抑えることができます。出資する側からしても、自分が自発的に提供した資金が目に見える形で活用されるという満足感を得ることができます。ただし、出資金を自由に引き出せない、元本保証がないというデメリットもあります。

融資のための審査は、税理士等の専門家が財務面、独創性、社会性という様々な観点から行っています。融資を受けるまでには何回も面談が必要になることがあり、融資を行った後も、ウェブサイト等で融資先を公開し、透明化を進めているので貸し倒れが非常に少なく安定した運営が可能になっています。

全国各地のNPOバンクではそれぞれに特色が見られます。神奈川県にあるWCA 女性・市民コミュニティバンクでは女性・市民を中心に市民事業等を支援しています。宮城県の天然住宅BANKでは、天然住宅を購入した人の住宅ローンの一部や省エネ家具などのための融資を行っています。また、森林を守るため、あるいは復興住宅を建設するための出資を募っています。

京都府に本部がある信頼資本財団では、農林水畜産業や医療、教育、環境、福祉、人権などでの分野で「信頼」関係の向上に役立つ事業を対象に、融資を行っています。信頼資本財団では助成事業も行っており、被災者や国際協力、教育を支える事業などに助成を行ってきました。全国にはその他にも公益社団法人難民起業サポートファンドや生活サポート基金、NPO会計税務専門家ネットワークなど、様々なNPOバンクが設立されています。

2005年1月からはNPOバンクの連絡組織である全国NPOバンク連絡会が活動を始めています。全国のNPOバンクの他に、公認会計士や弁護士、NPOサポート団体などと幅広いネットワークを形成しています。当連絡会は、市民金融や市民事業の発展のため法制度や税制を中心とした問題の対応に取り組んでいます。



小規模共済貸付とは?

小規模企業共済制度は国の機関である中小機構が運営する制度で、小規模企業の経営者や個人事業主をサポートするための退職金制度です。掛金は全額を所得控除できるため税金対策にも活用できる制度です。住民税においても同額が控除されるので節税効果はいっそう高くなります。

掛け金は1,000〜70,000円で、500円単位で設定できます。加入後もに減額したり増額したりすることができるので、最初は少ない金額を設定して徐々に増やしていくのが望ましいでしょう。掛金の支払いは月払い、半年払い、年払いから選べます。また、掛金は前納ができ、前納すると前納減額金を受け取れます。また、共済金は退職や廃業時に受け取ることができて、受取りは分割でもできますし、一括して受け取ることも可能です。あるいは一括と分割の併用もできます。一括で受け取ると退職所得とされます。分割なら公的年金等の雑所得になるため、税制上のメリットがあります。

また、小規模企業共済制度では低金利の貸付制度を利用することも可能です。掛金の範囲内で事業資金の融資を受けられるようになり、即日融資を受けることもできます。貸付制度の中には事業資金を借りられる一般貸付けの他に、売上が一時的に減少して資金繰りが苦しくなっている場合に申し込める緊急経営安定貸付けがあります。また、病気やけがで一定期間入院をした場合の傷病災害時貸付、住宅のリフォーム資金や福祉機器購入のための福祉対応貸付けもあります。さらに、創業転業時や事業承継、廃業準備の際にも貸付制度を利用できます。

小規模企業共済制度に加入できるのは、使用する従業員の数が常時20人以下の個人事業主あるいは会社の役員です。また、サービス業、卸売業・小売業の場合は、常時使用している従業員の数は5人以下でなければなりません。その他には、企業組合の役員、協業組合の役員、士業法人の社員も、組合員や従業員数の条件に合っていれば加入することができます。

加入できないケースは共同経営者ではない配偶者等や直接営利を目的としない法人の役員等です。たとえば財団法人、NPO法人、医療法人などは加入できません。副業として事業を行っているサラリーマンや生命保険外務員、中小企業退職金共済制度などの被共済者である場合なども同様です。

小規模企業共済制度は税制面でのメリットも多く、貸付制度もあるので、起業した際にはぜひとも活用したい制度です。



責任共有制度とは?

責任共有制度は信用保証協会と銀行がともに責任を負い、連携して中小企業を支援していくことを目的として設けられた制度です。この制度が導入される平成19年10月以前は信用保証協会が100%保証を行い全面的にリスクを負っていましたが、制度の施行以降は2割ほどのリスクを銀行が負うようになりました。

この制度が導入されるようになった背景には信用保証協会の代位弁済が増加してきたという状況があります。これは信用保証協会が公的機関で、中小企業の資金を得やすいようにサポートするという立場であるため、審査を緩くする必要があったからです。また一部の銀行では、責任を負うリスクが無いため十分の審査を行わずに信用保証協会に任せてしまう、ということもありました。そのような状況を打開するため信用保証協会の保証の範囲が融資額の80%に抑えられることになりました。残りの20%を銀行が保証します。

責任共有制度には2つの方式があります。1つ目の部分保証方式では、信用保証協会が、銀行が行う融資額の80%を保証します。2つ目の負担金方式は信用保証協会が100%を保証しますが、銀行が保証利用実績に応じた一定の負担金を支払います。

融資を受ける中小企業にとっては、信用保証協会に支払う保証料が80%相当額に減るというメリットがあります。なお、責任共有制度の対象となる保証であれば、部分保証方式でも、負担金方式でも、保証料率は変わりません。デメリットは銀行もリスクを負うということで、銀行の審査が厳しくなり、融資を受けられなくなったり、金利を引き上げられることもあるということです。

なお、責任共有制度の対象から外されている制度もあり、経営安定関連保証1号〜6号、創業関連保証事業、再生保証、小口零細企業保証などを含む11の制度は対象外です。これらの場合は引き続き信用保証協会が100%保証します。

たとえば、東京都の小口零細企業保証では、信用保証協会が100%保証しますが、東京都が保証料の2分の1を負担してくれます。申し込めるのは常時使用する従業員あるいは組合員の数が20人以下の会社あるいは個人です。また、信用保証協会の保証付融資の総残高が、この融資を含めて1,250万円以下という条件もあります。連帯保証人は個人事業者では原則不要ですが、法人と組合は必要です。担保は原則として不要です。使途は運転資金と設備資金で、融資期間は運転資金が7年以内(据置期間6か月)で、設備資金が10年以内(据置期間6か月)となっています。



財形住宅融資制度とは?

財形住宅融資制度とは、サラリーマンが将来家を購入する時のために利用できる制度です。毎月あるいはボーナスから貯蓄分が天引きされるという財形貯蓄がありますが、財形住宅融資制度は1年以上財形貯蓄をして、残高が50万円以上あれば利用可能です。

金利は申し込み時点の金利が適用され、5年ごとに見直されます。ですから経済的な変化があっても当初の5年は金利が変化しないというメリットがあります。限度額は財形貯蓄額残高の10倍以内、所用資金の80%までです。また、最高金額は4,000万円なので住宅の購入・取得が容易になります。また、財形住宅融資には「利子補給制度」があり、勤務先の会社が金利の一部を負担する制度です。自分の勤務先がこの制度を導入しているか確認してみましょう。

財形住宅融資制度は金融機関の融資やフラット35と同時に利用することも可能です。フラット35は金利が全期間固定なので、同時に利用すると財形住宅融資で6年目以降に金利が上昇した場合でもリスクを相殺できるというメリットがあります。年収に対する年間返済額は、たとえば150万円未満なら25%以下で400万円以上は40%以下となっています。返済期間は新築なら35年、中古は35年あるいは25年です。リフォームなら20年です。

5年固定金利ローンなので、5年ごとに金利を見直しますが、金利が上昇すると返済額も上がってしまうというデメリットがあります。ただし、急激に金利が上昇しても返済額は従前の1.5倍までとなっているので返済額が極端に増えることはありません。

財形住宅融資の返済方法の1つは「元利均等返済」で、返済額が一定になるので返済計画を立てやすいメリットがあります。一方で、なかなか借入金残高が減らないのがデメリットです。もう1つは元金均等返済で、返済が進むにつれて返済額が減っていきます。総返済額は元利均等返済よりも少なくなります。ただ返済開始当初の返済額が大きくなるので十分の月収が必要です。また、ボーナス併用払いもできます。

財形住宅融資の申し込み先の1つは財形住宅金融株式会社です。勤務先の会社が財形住宅金融株式会社に出資していれば利用できます。もう1つは勤務先です。勤務先が事業主転貸を行っていれば申し込めますし、公務員の方なら共済組合に申し込むことができます。4番目は住宅金融支援機構で、他の3つに該当しない場合はこちらで申し込みます。手数料等は申し込み先によって異なりますので事前の確認が必要です。



劣後融資とは?

まず「劣後」の意味ですが、複数の銀行から借りたお金を返済する際に、A銀行への返済を優先させてB銀行への返済を後回しにした場合、B銀行の借り入れを「劣後する」と言います。

もし返済に行き詰った場合にはすべての借入先から返済猶予を求めるべきで、特定の銀行だけ返済を後回しにするということはできません。

一方、劣後融資というのは、仮に返済が行き詰った場合、うちの銀行への返済は後回しにしてもかまわないという条件で銀行が融資をすることです。

もし融資先の会社が倒産すると、まず従業員の給与や税金などの支払いが行われ、その残りを各債権者が回収します。

劣後融資をしている銀行は債権者の中でも順位が最後になるので、その時点で回収可能な資産がわずかしかない、あるいはほぼ残っていないという状況になります。

そのことを考える金融機関からすれば負債というよりは株式に近いので、負債ではなく資本とみてくれます。
 

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劣後融資を受けた場合は資本(純資産)となり、自己資本比率が改善されるため追加融資も受けやすくなります。

デメリットは通常よりも高い利子が設定されることです。また、返済期間も長くなることが多いです。

劣後融資は負債ではなく資本とみなされますが、財務状況が良くなるわけではないのでデメリットも十分考慮した上で選択する必要があります。

劣後融資の中に、日本政策金融公庫の挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)というのがあります。

金融検査の際には自己資本とみなしてもらうことができます。

万が一、法的倒産手続きが開始された場合は全ての債務が劣後になります。

国民生活事業の資本性ローンは融資限度額が4,000万円で、返済期間は5年1ヵ月以上15年以内です。

金利は売上高減価償却前経常利益率によって決まります。

5%超の場合は貸付期間によって5.15%〜6.05%の間になります。

0%以上5%以下なら3.05%〜3.50%、0%未満なら0.90%です。

中小企業事業では融資限度額が1社あたり3億円で、返済期間は最長15年、最短5年1ヵ月で期限一括償還です。

金利は貸付後1年ごとに、直近決算の業績によって決定され、利率は3つに区分れています。

たとえば、新企業育成貸付又は企業活力強化貸付を適用した場合で、返済期間が15年なら金利は5.40%、4.10%、0.40%です。

劣後融資では新規性や成長性が融資の可否のポイントになるので、事業計画書の内容がかなり重要になってきます。



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