開業資金調達(国民生活金融公庫融資コンサルティング等)から株式・合同会社の設立手続、開業後の経理までワンストップサポートを実現!関東一円対応!行政書士齋藤史洋事務所
開業資金調達.NET » Archive: 9 月 2007

国民生活金融公庫Q&A

Q そもそも、国民生活金融公庫ってどんな金融機関ですか?

A 国民生活金融公庫は、「国民生活金融公庫法」という法律に基づいて、政府が全額出資して設立された法人です。

民間金融機関からの融資を受けるのが困難な、新規に独立開業・起業される方々、あるいは中小企業など国民のみなさまが必要とする資金を民間金融機関に代わって融資する金融機関です。
「国民経済の健全な発展」と公衆衛生などの「国民生活の向上に寄与」することを目的として事業を運営しています。

Q 国民生活金融公庫とはいままで付き合いがないのですが、はじめてでも融資してもらえるのですか?

A はい、融資してもらえます。

「新規開業ローン」「新創業融資」など、新規に独立開業・起業される方々を対象とした、開業資金の融資制度が用意されています。
国民生活金融公庫は民間金融機関とは異なり、そもそも預金業務を行っていません。
これまでの取引実績や、お付き合いがなくて当然なのです。
これからはじめる事業の内容をわかりやすく説明すること、その事業を始めるにあたって必要なノウハウ、自己資金をどのような準備をしてきたのか、その事業からどれだけの儲けが出る見込みなのか。前提条件を具体的・明確に、融資できるかどうかを判断しやすい情報を提供してあげること。
これらをきちんと準備し説明できれば、国民生活金融公庫はきっと、あなたに融資することでしょう。 

Q 国民生活金融公庫で融資してもらえるお金は、どのような使いみちのものですか?

A 国民生活金融公庫は、事業資金を融資しています。

具体的には、
 ・ 店舗・事務所などの購入・賃借や、機械などの購入などの「設備資金」、
 ・ 人件費や仕入などの支払のための「運転資金」
 このふたつが融資の対象となります。
融資対象外のものとしては、
 ・ 会社設立のために必要な費用(登録免許税、定款認証、専門家報酬など)
 ・ 資本金の払込みに使う資金
があげられます。
 会社を設立して創業する場合は、設立登記後の会社が融資の対象となります。

Q 国民生活金融公庫の「新規開業ローン」の特徴は?

A 民間金融機関から融資を受けるのに比べて、次のような特色があります。

 ① ご契約時の金利が最後まで適用される固定金利であること。
 ② 事業資金としては長期の返済期間が組めること。
 ③ 元金返済の据置期間を設定できること(1~3年以内)。
 ④ 事業開始後5年までの方がご利用できること。

Q 国民生活金融公庫でも原則として保証人が必要とのことですが、保証人は誰でもなれるのですか?

A 保証人は、原則として生計を別にする第三者の方、かつ一定の収入がある方が望ましいです。

保証人の収入の多い少ないは、あなたの融資希望額の大きさにもよるのですが、通常100万~数百万円程度の融資額であれば、サラリーマンの方1名を保証人に入れることで対応可能です。
また1000万円を超える融資額であれば、複数の保証人、または不動産担保の差入れを要請されるケースが多いようです。
なお「第三者保証人等を不要とする制度」があります。これは開業資金調達の段階では利用できないのですが、開業後2事業年度の税務申告を終えている方で、かつ納めるべき税金をきちんと支払っている方が利用可能な制度です。

Q 保証人なし、担保なしでも融資してもらえますか?

A はい。保証人なし、担保なしで融資する制度「新創業融資」が用意されています。

ただし保証人などをつけた場合に比べ 融資可能額が低めに抑えられています(1000万円まで)。また借入金利も1.2%さらに高く設定されているなど、比較的借りにくい条件になっています。
有利な開業資金調達を目指すのでしたら、まずは保証人をひとりつけるように努力してみましょう。

Q 個人事業ではじめようと思っていますが、個人でも国民生活金融公庫は融資してもらえるのですか?

A はい、融資してもらえます。

これは新規の独立開業・創業に限らず、「普通貸付」など他の融資制度にも共通です。 

Q 個人事業で融資を申し込むのと、会社を設立した後に融資を申し込むのとでは、どちらが有利ですか?

A どちらが有利、と判断するのは難しいです。

チェックポイントは、次のふたつです。
(1) 会社設立に伴う支出は、融資審査上「自己資金」とは認められない。
(2) 会社のほうが、金融機関からみて信用面では有利と思われる。

(1) 会社設立に伴う支出は、融資審査上「自己資金」とは認められない。
 金融機関からみて自己資金とは、
 ・ あなた自身が貯えたまたは返済不要の援助を受けたお金のうち、手元に残っているお金
 ・ 会社としてはあなた自身の出資金と他の出資者からの出資金のうち、手元に残っているお金、
 ・ 既に支出済みの設備資金で領収書があるもの、
 上記3点が自己資金としての評価を受けます。
 ここで留意するべきは、会社設立に伴い必要となる支出、例えば登録免許税、印紙代、手続を専門家に依頼する報酬等は、自己資金とは認められないということです。
 なぜなら会社設立に伴う支出は、金融機関からの借入金返済の原資となる利益の獲得に直接貢献するものではないから、なんですね。
 自己資金との評価を受けられない点は、仕方がないと考えます。
 自己資金が多いほうが、より多額の融資を受けることができます。
 より多額の融資を受けたい、という短期的な観点からは、個人事業で申込したほうが有利かもしれません。

(2) 会社として融資申込したほうが、信用面では有利と思われる。
 会社設立にはそれなりの支出が必要となります。
 ご自身ですべての手続をするとしても、「株式会社」は実費が最低でも20万円程度、「合同会社」でも6万円は必要です。
 設立手続を専門家(行政書士など)に依頼する場合、さらに10万円程度が必要となります。
 それだけのお金をかけて事業基盤となる会社を立ち上げたことは、「あなたの新規事業に取り組む決意・やる気」、あるいは「事業の継続性・発展性」という観点から金融機関側の評価は高いと思われます。
 金融機関と良好な信頼関係を築きたい、という中・長期的観点からは個人事業より会社のほうが有利ではないか、と考えます。

Q 会社設立のため、資本金の払込みにあてる資金を融資してほしいのですが。

A資本金の払込みにあてる資金については、融資を受けることはできません。

 なお、会社法では会社の財政基盤を安定させて、その会社と取引する債権者の利益を保護する観点から、資本金の払込みを他人からの借入金で行うことを禁止しています(俗に「見せ金」といわれます)。

売上高予測の方法

売上高予測の方法には、主に以下のような4つの考え方があります。
業種の特性を考え最も適した方法を選び、検討してみましょう。
また販売価格(単価)、販売数量についても、具体的な根拠づけをすることが望ましいと考えます。
従業者1人当たり売上高などの業界平均値について、「中小企業の財務指標」(中小企業庁編)「小企業の経営指標」(国民生活金融公庫総合研究所編)など、公表されている統計データを用いると、説得力が増すでしょう。

1.販売業で店舗販売のウェイトが大きい業種(コンビニエンスストアなど)

<算式> 1㎡(または1坪)当たりの売上高  × 売場面積

 
[設例] 業種:コンビニエンスストア

売場面積          90㎡
1㎡当たりの売上高(月間) 14万円
(「小企業の経営指標」による業界平均から算出)

売上高予測(1ヵ月)=14万円×90㎡=1,260万円

2.サービス業関係業種(飲食店営業、理・美容業など)

<算式> 客単価  × 設備単位数(席数) × 回転数

[設例] 業種:理髪店

理髪椅子       2台
1日1台当りの回転数 4.5回転
客単価        4,000円 
稼働日数       月25日稼働

売上高予測(1ヵ月)=4,000円×2台×4.5回転×25日=90万円

3.労働集約的な業種(自動車販売業、化粧品販売業、ビル清掃業など)

<算式> 従業者1人当たりの売上高  × 従業者数

[設例] 業種:自動車小売業

従業者              6人
従業者1人当りの売上高(月間)  274万円
 (「小企業の経営指標」による業界平均から算出)

売上高予測(1ヵ月)=274万円×6人=1,644万円

4.設備能力がそのまま売上高に結びつき、設備単位当りの生産能力がとらえやすい業種(部品製造業、印刷業、運送業など)

<算式> 設備の生産能力  × 設備数

[設例] 業種:部品(ボルト)加工業

施盤                   4台
1台当りの生産能力 1日(8時間稼働)当り500個
加工賃                  @50円 
稼働日数               月25日稼働

売上高予測(1ヵ月)=50円×500個×4台×25日=250万円

「月次資金繰り表」の書き方

資金繰りとは

資金繰りとは、資金の収入・支出を把握し、資金が不足しないようにコントロールすることです。
例えば売上高が計上されていても、売掛金の回収=「資金の収入」がなければ資金繰りが苦しくなります。
資金繰りが苦しくなると、支払が遅れたり金融機関から融資を受けることが難しくなります。

あなたが起業した事業を継続させるために、大切なこと。
それは、金融機関や仕入先から「信用」を得ることです。

そのためには、資金の出入りを数ヶ月先まで計画して、実績と対比しながら
資金が不足しそうだと判断したら、すぐに対応策を講じることです。

下記のような「月次資金繰り表」を作成して、資金の動きをコントロールしましょう。

月次資金繰り表の作成例

    4月 5月 (中略) 3月 年間計
    計画 実績 計画 実績 計画 実績 計画 実績
(1)前月繰越高                
収入                  
  現金売上                
  売掛金回収                
  受取手形回収                
  借入金                
(2)収入合計                
支出                  
  現金仕入                
  買掛金支払                
  支払手形決済                
  人件費                
  借入金返済                
  その他の支出                
(3)支出合計                
翌月繰越高[(1)+(2)-(3)]                

上記の表を作成し、各月の実績と計画とを比較します。
計画よりも実績が大きく増加(または減少)している項目について、その発生原因を分析・把握し、資金残高が増加するための対応策を検討していきます。

資金が不足しそうな場合には…

資金が不足しそうな場合には、例えば次のような対策を検討します。

対応例

  • 経費を削減する。
  • 役員報酬を削減する。
  • 売掛金の回収期間を短くする。
  • 買掛金など支払期間を長くする。
  • 新たに融資を受ける。

「第三者保証人等を不要とする融資」

国民生活金融公庫から融資を受けるにあたっては、あなたと同一生計の家族や自社の従業員は、原則として保証人として認めてもらえません。

融資を受けたいあなたとは、生計を別にする安定的な収入の見込まれる第三者の方を保証人につけるように、国民生活金融公庫側から要請されるのが一般的です。

しかし国民生活金融公庫では、第三者に保証人のあてがない方、不動産などの担保もないという方に対して、融資を受けやすい制度を用意しています。
つまり、経営者や家族の方などを保証人として融資を希望される方に対して、
第三者の方の保証や担保(不動産、有価証券等)などの提供を不要とする融資制度を取扱っています。
これを「第三者保証人等を不要とする融資」といいます。

この制度を利用すれば、経営者の奥さまやご家族を保証人にすることで、国民生活金融公庫から融資を受けることも可能です。

「第三者保証人等を不要とする融資」を受けるためには、次の条件をすべて満たしている必要があります。

「第三者保証人等を不要とする融資」を受けるための条件

  • 税務申告を2期以上行っていること。
  • 所得税等を期限内に完納していること。
  • 最近の業績等から、第三者保証人や担保がなくても融資できると認められること。

注意すべきことは、新規開業資金の融資を受けたい場合には、税務申告の条件を満たすことができない、ということです。
新規開業資金については、第三者保証人を用意して普通貸付または「新規開業融資」を利用するか、無担保・無保証の「新創業融資」制度を利用することになります。
また最近の業績等に関する条件についてですが、最近の業績が良好でなければ融資を受けることはできない、ということです。
仮に業績が悪い状況においては、融資する側が安心して融資できるように、生計を別にする第三者の保証人証人を用意すべきである、という考え方です。

「第三者保証人等を不要とする融資」による融資の条件

融資額 2,000万円以内
返済期間 運転資金5年以内(特に必要な場合は 7年以内) ※うち据置期間 6ヵ月以内
設備資金10年以内 ※うち据置期間 2年以内
(注) 再チャレンジ支援融資(再挑戦支援資金)の実績連動金利型貸付を利用される方については、返済期間 5年 ※うち据置期間 2年となります。
利率 基準利率 + 0.65%
(注)資金使途やご返済期間などによって異なる利率が適用されます。
※ 建築物のアスベスト除去などを行うために、次の制度をご利用いただく場合、上乗せ利率(0.65%)が免除されます。

  • 環境・エネルギー対策資金(環境・エネルギー対策貸付)
  • 防災・環境対策資金(環境対策関連貸付(運転資金を除く))
連帯保証人
  • 法人営業の方・・・ 代表者のほか必要に応じご家族、社内の役員・従業員など
  • 個人営業の方・・・ ご家族または従業員

第三者保証人や担保を不要としている分だけ貸し倒れの危険が高くなるため、借入金利が通常よりも0.65%高く設定されています。
通常、銀行などから融資を受ける場合においても、担保や保証人が十分でない場合は金利が高くなりますので、これはやむを得ないといえましょう。
また借入限度額も低めに抑えられています。
多額の借入を希望される場合には、第三者保証人や担保を用意することが望ましいでしょう。

資金計画のたて方

国民生活金融公庫の「創業計画書」の2ページ目。
「3.必要な資金と調達の方法」の記載例は、以下のとおりです。

【記載例】
3.必要な資金と調達の方法

(単位:千円)
必要な資金 金額 調達の方法 金額
設備
資金
店舗、工場、機械、備品、車両など
(内訳)
  自己資金 2,000
 内装工事 2,000 国民生活金融公庫
からの借入
2,400
 敷金保証金 1,500
3,500
運転
資金
商品仕入、経費支払資金など
(内訳)
  その他からの借入
(内訳・返済方法)
親類からの借入
(元金6万円×10回)
600
 初回商品仕入代金 500
 開業時の広告宣伝費 300
 経費2ヶ月分 700
1,500 600
  合計 5,000 合計 5,000

自己資金の大きさ、そして借入希望額とのバランス。
そして必要資金の具体的な使い途が、この表から把握することができます。

各項目の書き方には、コツがあります。

1.設備資金

開業準備にあたって必要となる「設備資金」の内訳と金額を記入します。
それぞれの内訳ごとに、業者からの見積書など、根拠となる資料を用意しましょう。
また既に支出済みの場合には、領収書など支払事実を確認できるものが必要となります。

設備資金には、

  • 事務所・工場建物の賃借に必要となる敷金保証金・仲介手数料など
  • 店舗などの内装工事
  • 機械設備、器具備品
  • 営業用の自動車

などが考えられます。

2.運転資金

開業後、売上代金が回収できるまでの期間に必要となる期間の経費などについて、内訳と金額を記入します。
それぞれの内訳ごとに、その金額の算定根拠を説明できるようにしておきましょう。

運転資金には、

  • 販売目的で仕入れる商品・材料の支払代金
  • 開業時の広告宣伝費
  • 従業員の人件費

などが考えられます。

3.自己資金

  • あなた自身が準備されてきた、自己資金の金額を記入します。
    預金通帳などから、資金の出所を説明できるようにしましょう。
  • 設立直後に会社で借入する場合
    自己資金=資本金、と考えることもできます。
    つまり、あなた以外の第三者から受けた出資金も「自己資金」とすることができます。
  • 会社設立後、ある程度の期間が経過している場合
    自己資金=会社の支払可能残高(手元現金+担保に差入れていない預金)となります。

4.その他(国民生活金融公庫以外)からの借入

  • いわゆる制度融資(地方公共団体からの借入)
  • 親類・知人などからの借入
  • その他の借入

借入金の内訳、借入条件(利率、期間、返済条件)について具体的な質問がなされます。
「借入一覧表」を別に作成して、細かい内容を把握しておきましょう。

5.国民生活金融公庫からの借入

あなたが開業するにあたって、国民生活金融公庫から借入を希望する金額を、記入します。

6.チェックポイント

  • (自己資金+その他からの借入+国民生活金融公庫からの借入)-(設備資金+運転資金)≧ゼロ
    になっていますか?
  • 必要資金合計に占める自己資金の割合が、3分の1を上回っていますか?
  • 「月次資金繰り表」を別に作成しましたか?

許認可事業で融資を受けるには

国民生活金融公庫に融資を申請するにあたって、あなたが営む事業が許認可を必要とするには原則として、事前に許認可を受けておく必要があります。

事業を営むにあたっては、あらかじめ官公庁から許認可を得なければ営業できない業種があります。

例えば、古本屋さんや中古車ショップ。
これは公安委員会からの許可が必要です。
飲食店を開業するには、保健所からの許可が必要です。

例外として

・すでに許認可の申請をしている場合、
・許認可申請期間に事前相談しており、許認可を受けられることが確実な場合、

これらについては、念書等で約束できればOKになる場合があります。
ただし融資を受けたが、結局許認可を受けられなかった場合には、ただちに返済を要請される場合があります。

やはり許認可は、事前に取得しておくべきでしょう。

許認可を得ることが必要な業種の事業を、許認可なしで営業した場合、処罰の対象となりますので注意が必要です。

許認可が必要なビジネスを開業する場合、その許認可を得るための条件、そして必要な時間を確認しておきましょう。

事業によっては、オフィスの広さや入り口が別々になっているかどうか(独立性)など建物の構造や設計について制限がなされていたり、自己資本の最低額についての規制があったりします。

また会社で融資を受ける場合で許認可が必要な事業の場合には、許認可を受けられるまでのスケジュールと必要条件に留意しながら、会社の設立準備をすすめる必要があります。

許認可を受けるために必要となる事業目的を盛り込んだり、取締役に事業経験者が必要となり役員追加・変更が必要となるなど、いったん認証を受けた定款を、あらためて作成しなおさなければならない、
とも限りませんからね…。

あなたが営もうとするビジネスに許認可が必要かどうか。

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